Kiri-e Art Creator
atsuomi nakamura
Profile
atsuomi nakamura(中村敦臣/切絵アートクリエーター)
1974年、山口県生まれ。
僕は、切絵を「細かさを競うもの」ではなく、アートの素材の一つとして捉えています。
切絵がどのように他の素材や技法と響き合い、どんな新しい表現を生み出すのかを
探りながら作品を制作しています。
アクリル画や異なる素材との融合、企業やアーティストとのコラボレーション、
神社仏閣の御朱印デザインなど、多様なアプローチで活動を広げています。
作品の根底には、「無垢の世界」というテーマがあります。
元素や細胞をモチーフにしたデザインには、世界の根源的な美しさや調和を表現したい
という思いを込めています。
その中でも、2022年の国際切り絵コンクールでグランプリを受賞した作品
「原始と行き先(Source and Destination)」では、このテーマを深く掘り下げました。
《原始と行き先(Source and Destination)》について
原子の誕生から現在、そして未来へと続く移り変わり――それは、目に見える歴史や文化、目に見えない価値観に関係なく、最終的にはすべてが鉄に帰るという思いがあります。
未来には、メタバースのような仮想現実が実体を持ち、多くの現実世界を生み出す
かもしれません。
また、個人のプライベートな宇宙が爆発的に誕生する可能性もあります。
しかし、それらもまた、原始から続く連続性の一部として組み込まれ、
ただひたすら並べられていく――そんな連続性をテーマにした作品です。
こうしたテーマを基に、手作業と現代技術の融合による新たな表現を探っています。
2017年、「神の手ニッポン展」で「神の手アーティスト」に選任されたことを機に、
切絵の技巧的な美しさだけでなく、アートとしての可能性に向き合うようになりました。
同じ年にレーザーカッターを導入し、「機械にはできない手作業の温かみ」と
「現代技術による新しい視点」を融合させた作品づくりをスタートしました。
主な受賞歴・活動歴
2017年 「神の手ニッポン展」第3期「神の手アーティスト」選任
(東京・雅叙園 国指定文化財 百段階段)
2018年 やまぎん地域企業助成基金 受賞(山口・広島・福岡)
2019年 「超絶技巧の否定と肯定~Atsuomi」(岐阜・美濃)
2022年 第2回 国際切り絵コンクール・トリエンナーレ
グランプリ受賞(山梨)
2022年 山口フィナンシャルグループ 2022年度版カレンダー作品採用
2023年 特別展示「Atsuomi展 切絵はアートに成り得るか」(東京・広尾)
2023年 国宝瑠璃光寺五重塔 令和の大改修工事における切り絵作品制作、AR動画制作、作品展示(山口)
アートを通じて、僕が大切にしているのは「つながり」です。人と人、過去と未来、素材と素材が響き合い、一つの世界を作る――そんな静かなメッセージが、作品を通じて届けばうれしいです。